KURITABI って名前を付けてしまったもんだから
旅行の事しか書かないつもりでいたんだけど、私の働き方ってすごく特殊だと思うので、悩んでる誰かのヒントになればいいなと思って、この記事を書きます。
私は二世帯住宅の片方のキッチンで営業許可を取ってケーキ屋さんをやっています。
今までは自分のペースでのんびり営業をしていただんけど
コロナの時、仕事が出来ない!店が開けられない!と問題になっている中、なぜかケーキの注文が爆発したの。
レストランや居酒屋でお祝い出来ないから、宅配ケーキを注文しよっか!って需要が増えたんだと思う。
お陰様で一人では作り切れない量の注文が入って、日にちによってはお断りする事も。
私は旅行以外はほとんど外出しない引きこもり主婦だから、自宅から出るのはスーパーへの買い物の短時間のみ笑
大嫌いな電車に乗って通勤をする必要もないので、自宅で仕事をするのは私にはメリットが多いのだ。
家賃がかからない
持ち家、ローン無しなので、「職場」としての家賃は0円。
更新料もなければ、契約している業者もいない。
なので休んでも、お金の問題で店を潰す可能性は0%
通勤が不要
私はもともと電車が苦手です。10代の頃にパニック障害になってしまってから電車をなるべく避けて生きてきました。
それが故に、人の少ない早朝から働くケーキ屋という職に就きました。と言ってもいいぐらい、働き口の選択肢が少なかったんだよね。
『通勤』とゆうストレスと無駄な時間を無くすために自宅で働きたいなーってずっと思ってた。
自宅が職場なら、通勤時間は0分。
朝から満員電車でストレスを感じる事も、寝坊してダッシュすることもない。
お客様は日本全国に
生菓子を売るケーキ屋さんって大体家の近所か、美味しいって有名な店くらいでしか食べる機会がないと思う。
店舗を持たないとお客さんに来てもらうことはできない。でも、宅急便で配送出来る形を作って全国のお客様に食べてもらえるようになった!
私は無店舗営業を選んだから、現物を目で見て選んでもらう事は出来ないけど過去に作ったケーキをInstagramで公開して注文を貰っています。
完全受注生産になるので在庫を抱える事もなければ、前払いなのでドタキャンのフードロスも材料の仕入れすぎもない。
クロネコヤマトの物流が止まらない限り、お客様は全国に。
開業の準備
前の記事にも少し書いたけど、開業のためにやったことや費用についてお話しするね。
マンションで暮らしていた時は、友達に頼まれてたまにケーキを作っている程度だったの。
バイトの時間給よりもケーキの稼ぎの方が圧倒的に良くて、「あー、このままこれ1本で生活したいな。」と思った。
友達が友達に紹介してくれて、だんだん知らない人から注文が入るようになって営業許可を取らなくちゃ!・・・ってなった頃、今の家に引っ越すことになったの。
引っ越す前に菓子製造業の営業許可を申請するために、必要な工事をしたよ。
・フローリングのキッチンに防水のクッションフロアを貼った
内装屋の友人に頼んでキッチンだけ貼ってもらった。
・キッチン横の洗濯機置き場の水道を手洗い水道に改造
同じく友人に頼んでクッションフロアと合わせて3万円くらいだったかな。
・冷蔵庫と配送用冷凍庫を購入
100Lくらいの小さな冷凍庫を2万円ちょいで購入。(軌道に乗ったタイミングで大きいものに買い替えた)
・調理器具は持っていた物を使用
もともとケーキを作っていたし機材は豊富に持ってたので様子を見ながら買い足したぐらい。
・営業許可申請費用
新規の申請費用16,800円を保健所で支払った。
・ケーキ宣伝用のアカウントを開設
Instagramのアカウントと注文方法やセミオーダーの商品を掲載したホームページを作った。
・資材の購入
今までと違いプロの仕事になるから、しっかりとした箱や袋を用意した。
パッケージ中澤やハコマルシェで何種類かデコ箱を取り寄せて、安いけど高級感のある物を選んだ。
・ショップカード
Zazzleというネットショップで可愛いショップカードと解凍方法を記載したチラシを作った。
・仕事用の携帯を用意した
といっても、昔使ってたiPhoneにLINEモバイルのSIMを入れただけ。月額500円でLINE使い放題。
公式LINEも作ってインスタとLINE両方でやり取りができるようにしたけど、めんどくさくなって今はインスタだけにした。
最初にやったのはこれぐらい。
10万円で余裕でおつりが来た!
集客
まずはインスタに、今まで作ったケーキを投稿しまくった。
今見返すと、申し訳なくなるような仕上がりだけど。
この数年で働きながら腕を上げたんだなって実感したよ。
最初はケーキの収入だけでは安定しないし、どうしても注文が週末に集中することもあって、掛け持ちをしてたの。
DMやLINEで問い合わせが来て、デザインを考えてお見積もりをする。
作ったケーキをインスタに投稿する。
それを見て、別の方が注文をしてくる。そんな流れ。
最初の頃は1投稿しても、5件くらいしかこなかった問い合わせが最近では30件近く来るようになった。
予約開始日の開始時刻ちょうどに150件以上のメッセージが来ることも。
問い合わせや見積もりだけの人もいて、もちろん全員の方から注文が入るわけではないので、自分のスケジュールやご予約状況に合わせて投稿回数やタイミングを調整している感じ。
BASEという販売サイトを使って、セミオーダーのケーキも販売してるんだけどこちらはお客さんとのやりとりがいらない分値段を安く販売してるよ。
集客は口コミとInstagramだけ。
勤務時間
好きな時に起きて、好きな時間から仕事を始める。
ちなみに今日は朝9時に起きて、屋上でひなたぼっこをしてお昼ご飯を食べて2時間昼寝。
その後やっとやる気になって夕方から1時間仕事!笑
そんな日もあれば、朝9時から夕方まで1週間分のアイシングクッキーをいっぺんに作る日も。
主婦なので朝と夕方には家の事をやりたいから、それ以外の時間を仕事の時間にしてる感じ。
突然友達からランチに誘われても、帰ってきてから続きをやればいいし、午後から予定がある時は午前中に頑張る。
旅行が大好きだから、旅行が決まった時点で「〇月〇日~〇月〇日はお休みです」と告知をする。
だから1年中好きな時に休みがとれる。これが自営業を選んだ一番の理由!
稼ぎ
一番肝心なのはここだよね。
ケーキの仕事をやり始めた頃、一番悩んだのが価格設定だった。
まず、私自身が甘い物を食べない人だったからケーキの相場がわからない。
ケーキ屋さんにホールケーキの値段を調査しに行ったりしたけど、そもそも私のケーキのようなデザインのものは売ってない。
ネットで他店のオーダーケーキを取り寄せて食べてみたりした。
あ、この値段でこのクオリティなんだ・・・。って😅
いい勉強になった。
私は最初だし・・・。
ってちょっと弱気の価格設定をしたんだけど、くりちゃんに
「ゆうちゃんのケーキはいつか有名になって簡単には買えなくなるケーキになるから、最初から高くても大丈夫。」
って言われて、自分でもびっくりするような価格設定にした。
今では自分の技術が上がった分、その金額から少し値上げをしたけど、買う人は買ってくれる。
高くても、このケーキを食べたい!!と思ってくれる人にだけ売る。
金額を気にする人には売らない。予約が入らなくて暇でも、絶対安売りだけはしない。それを守ってきたら、いつのまにか掛け持ちは必要なくなってバイトも辞めた。
リピーターさんは富裕層が多いと思う。そんな方達が、口コミで広めてくれるので同じレベルのお客様が増えていく。本当にありがたい。
店舗型のケーキ屋さんと違って私はホールケーキしか作らないので、業者さんと契約もしてません。
仕込みのある日にスーパーに材料を買いに行く感じ。
生クリームは、牛乳屋さんから仕入れるより近所のスーパーの方が安い事を知って、必要な分だけ買いに行ってるの。
家賃と人件費はかからないので、ケーキ1台にかかってる原価は2割強ってところ。
忙しくなってきたから冷凍庫を大きい物に買い替えたので、1日に作れる量も増えた!
全て1人でやっているから数に限りはあるけど、主婦にしてはしっかりとした収入になってると思う。
製作時間
よく聞かれるのが、ケーキ1つ作るのにどれぐらい時間がかかるの?ってこと。
これって、どこのケーキ屋さんも同じだと思うけど、まとめて仕込みをするから1個当たり何時間かかってるかはわからない。
パーツ類を前の週にまとめて仕込む。作業が細かいからこれは結構時間がかかる。
スポンジも週1回焼いて、冷凍しておく。
仕上げ当日の作業はスポンジにクリームをサンドしてナッペして、作っておいた飾りを乗せて完成。写真を撮って、箱詰めして発送。
発送当日の仕事時間は15分くらい?かな。
15万円を稼ぐのに、自給1,500円のパートなら100時間かかる。
1日8時間働いても13日かかる。
家事をしながら主婦がパートに出たらそんなもんだよね。今はだいたいその1/5くらいの勤務時間になると思う。
とにかく自由な時間が増えた。肩こりはやばいが笑
モチベーション
お店をやるのに、一番大事なのがコレかもしれない。私超ネガティブで、飽きっぽい。
働く事が嫌いだから、しょっちゅうモチベーション下がってるの笑
その下がったモチベーションを元に戻してくれるのがくりちゃんなんだよね。
ご褒美の外食だったり、気晴らしに散歩に連れ出してくれたり、あと、私のケーキの一番のファンなんだ。
作ったケーキを誰よりも褒めてくれるから、単純な私はそれでまた頑張れる笑
私は1年制の製菓学校に入って、その1年間は今までの人生で1番勉強をして、超優秀な成績で卒業したんだけど(フランス語以外w)そもそも働く事が大嫌いで。
昔から水商売の甘い蜜を吸っていたもんだから、早起きも昼職も本当にしんどくてよく泣いてた。自分で朝早い仕事選んだくせになw
だから就職したケーキ屋で、今後使えそうな部分だけ学んですぐ辞めた。
それから自分で商売が出来るようになるまで、本当にたくさんのケーキを作った。
うまくできなくて悔しくて泣いたり、掛け持ちの時は疲れてフラッフラしながら作ったり。
(いまだに泣きながらケーキ作ってた時のことをいじられるw)
みんながお酒を飲んでる時もケーキを作ってたし、暇があればデコレーションの本を読みまくった。
いつか絶対、あの時頑張ってよかった!!と思える日が来るから頑張るぞ!って気持ちで。
今作ってるケーキは、全て独学。
土台のスポンジや、クッキー生地、ケーキに関する技術は学校やお店で学んだこともあるけど、飾りに関しては全部自分で勉強したの。
ピエールエルメのフランス語の図鑑みたいなのを読み漁ったり、日本ではやり方が見つからないものは、アラビア語のホームページを翻訳して読んだこともあった。
(ドバイのケーキってすごいんだよw)
私の中で、何事にもいつも思ってることがあるの。
憧れてた人や、教えてくれた人を超える事。
私がオーダーケーキをやり始めたころ、インスタですっごい可愛いケーキを作ってる人がいたの。
可愛いな~。私もいつか人から憧れてもらえるケーキを作ろう。って。
で、数年たって久々にその人のケーキを見てびっくり。
あれ?全っ然私のケーキのほうが可愛いし、デコレーションも綺麗なんですけどー!!!!!
その人の腕が落ちたんじゃなくて、自分の腕が上がったんだって気づいたの。あの時の感動は忘れられない。
そんな事を繰り返して、今に至リマス。
私は今30代。
子供の頃から飛行機が大好きでCAになるのが夢だったけど、頭が悪すぎて、非行に走ったので学歴もない。今更頑張る気力もないw
ケーキ屋さんになるのが夢だったわけではなくて、自分が出来る事は何か、譲れない軸は何か、何が得意で、何なら人よりも優れているか考えたとき、出てきた答えがケーキだった。
ケーキ屋をしていなかったら、今何していたかはわからないけど、私のようにケーキ屋さんになりたい人。
自分の【得意】が分かってる人は、自分で仕事してみてもいいと思う。
社会保険も厚生年金も退職金も有給もないけど、人より自由な時間が多くて、好きな時に旅行に行ける。休んでも誰にも文句言われない。
貧乏旅行だけど、年に5回は海外旅行に行けてる。国内旅行も入れたら10回は行けてるかな?
人生で大切なのはお金よりも時間。もちろんお金がないと旅行にも行けないけど、今健康なうちに、一緒に行ってくれる友達がいるうちに、たくさん旅行をしたいのだ!
もっと稼ぎのいい仕事は世の中にたくさんあるけど、自由に遊びに行けるおかげで沢山の経験値や感性を磨けたと思ってる。
旅先で見た海の色、花、タイルの柄、動物、そうゆうものが私の感性を育ててケーキのデザインにも生きているんじゃないかと思ってるの。
これからは、どこかに属するんじゃなくこうゆう働き方の人がもっともっと増えてくると思うから、やりたくない、向いてない仕事に文句を言いながら生きていく人生より自分の得意を生かして、自由な時間を楽しめる人生が素敵だと思う!!!
長くなったけど、こうゆう生き方もあるよ、という事が言いたかった!
(でもやっぱり私はケーキより飛行機が好きだw)
来世は絶対飛行機に関わる仕事をしようと思うw
もっとケーキのお話が聞きたいです!
梱包をどんなところで購入してるかや梱包の仕方など聞きたいです!
初めまして♪ブログをすっかり放置してしまい、お返事が遅くなりました。旅行ブログのつもりが、この記事に一番コメントが入っていて驚いています!梱包は、たくさんの宅配しているケーキ屋さんで注文をして、どのように梱包をすれば破損しないかいっぱい研究しました!お金も時間もかけて今の形にしたのでこちらでは書けないのですが、同業さんの真似をするのが近道かと思います!!